緊 急 声 明
神戸製鋼所のアルミ・銅製品データ改ざん事件を踏まえ
「神戸製鉄所石炭火力発電所環境影響評価準備書」審査の一時停止を
決定した兵庫県の措置を歓迎します
神戸製鋼所(以下「神鋼」という)が、アルミや銅の製品の一部で顧客の製品仕様に適合させるため、強度などの検査証明書のデータを書き換えて出荷していたという事実が10月8日に判明したことを受け、私たちは、10月10日付けで、「神戸製鋼所の製造したアルミ・銅製品データ改ざん事件を踏まえ、『神戸製鉄所石炭火力発電所環境影響評価準備書(以下準備書という)』における不適切なデータ処理の有無についても改めて第三者による検証・評価を求めます」との緊急声明を発表し、兵庫県、神戸市、芦屋市などに準備書の審査の停止を求める声明を発表しました。
昨日(10/11)、兵庫県がこのたびの改ざん事件の重大性に鑑み、準備書に記載された数値データ等の検証を行うため環境影響評価審査会神鋼神戸製鉄所火力発電所部会の開催延期を発表したことについては、市民の不安の声を真摯に受け止めていただいたと考え、この措置を歓迎したいと思います。
今回の神鋼の長期にわたる組織ぐるみのデータ改ざん事件における顧客要求の無視は、準備書において神鋼が言うところの将来の神戸の環境に「・・環境基準及び環境目標等の維持・達成に支障を及ぼすものでなく・・」という自己評価は、基準以下なら市民の様々な要請など無視していいという姿勢と共通するもので、私たちがこれまで指摘してきた疑念をさらに深めました。
本事案は、準備書に示されたデータが正しいことを前提として広く県内・市内において熟議されるべき重大な地域の公害・環境問題で、これを踏まえたとき、今回の兵庫県の決定措置は全く当然の措置と考えます。
今後、本準備書に関して不適切なデータ処理の有無について、改めて社内における検証及び第三者による検証・評価を求め、そのデータ、内容について問題ないものと認められるまで、審査を停止することを求めます。また、もし問題があることが認められた場合は、環境影響評価手続そのものの取り下げを神鋼に求めるべきと考えます
最後に、環境影響評価法に基づき、市長意見形成のため、現在、本事案の審査を行っている神戸市、芦屋市にあっても兵庫県と同様、審査を一時停止することを改めて強く求めます。
2017年10月12日
神戸公害患者と家族の会
西淀川公害患者と家族の会
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
特定非営利活動法人気候ネットワーク
神鋼石炭火力公害問題灘区連絡会
石炭火力発電を考える市民ネットワーク
ひょうごECOクラブ
神鋼石炭火力発電所増設問題を考える芦屋市民の会
特定非営利活動法人地球環境市民会議(CASA)