【緊急申し入れ書】神鋼のデータ改ざんを受けた環境影響評価準備書に対する今後の措置に関する緊急申し入れ書(兵庫県、神戸市)

 

今般の神戸製鋼所のデータ改ざん事件を受けた神戸製鉄所火力発電所

環境影響評価準備書に対する今後の措置に関する緊急申し入れ書

 

 標記のことについて当会では、7月以降、株式会社神戸製鋼所(以下「神鋼」という)の石炭火力発電所増設計画にかかる環境影響評価準備書(以下「準備書」という)に重大な瑕疵がある旨、三次にわたって貴職らに厳正な審査を行うよう要請書を提出してきました。その後、今般の神鋼の製品データ改ざん問題の発覚を受け、当会は、10月10日付けで、準備書における不適切なデータ処理の有無について第三者による検証・評価を求める緊急声明を発表し、兵庫県、神戸市、芦屋市に対し準備書の審査の停止を求めました。また、10月17日には第4次要請書を提出し、検証、評価のあり方について第三者委員会による検証を強く要請したところです。神鋼は、不正発覚受けた自主点検でも不正を行っていたことが報道されています 。したがって、神鋼及び環境影響評価の委託先に対し、たんに自主点検を要請し、事業者から「不正はなかった」という報告を受け取るだけでは不十分であり、環境影響評価の実務に精通した専門家からなる第三者機関、あるいは、神鋼と資本関係のない調査会社などによる検証が不可欠です。

 貴職におかれては、本問題の重大性に鑑み、準備書に記載された数値データ等の検証を行うため、環境影響評価審査会神鋼神戸製鉄所火力発電所部会の開催延期、芦屋市での公聴会開催延期を発表しましたが、その後の対応については新聞報道など断片的に伝えられるだけで、今後の方針、具体的な進め方など確たる措置を公式に明らかにしていません。

 このままでは、その検証、評価のあり方についても密室で行われ、ただ結論だけが一方的に発表され、県民は検討・評価プロセスの妥当性・信頼性についての情報がないままに結論だけを受け入れるということにならざるをえないのではないかという懸念が拭えません。

県民、とりわけ、発電所建設予定地周辺の住民は、発電所の建設・操業に伴う環境影響を被る当事者であり、兵庫県は、準備書データの検証プロセスについての説明責任を果たさなければなりません。行政の説明責任を果たしていただくという観点から、第4次要請書の要請事項を踏まえ、下記の点について直ちに明らかにするよう申し入れます。

 なお、準備書記載データについて疑念が払拭できない場合は、直ちに準備書の審査を打ち切り、「準備書記載のデータに信頼性がないことから神戸製鉄所火力発電所(仮称)設置計画は是認できない」旨の環境影響評価法に基づく知事意見書をまとめることが必要と考えられますので、念のため申し添えます。

 

1.準備書に記載された数値データ等の信頼性の検証を行うに当たり、基本的な考え方を明らかにすること

 

2.準備書に記載された数値データ等の信頼性の検証を行う体制、検証の具体的な方法を明らかにすること

 

以上

 

【神戸の石炭火力発電を考える会の参加団体】

神戸公害患者と家族の会

西淀川公害患者と家族の会

公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)

特定非営利活動法人 地球環境市民会議(CASA)

特定非営利活動法人気候ネットワーク

神鋼石炭火力公害問題灘区連絡会

石炭火力発電所問題を考える市民ネットワーク

ひょうご ECO クラブ

神鋼石炭火力発電所増設問題を考える芦屋市民の会

 

【申し入れ書】

今般の神戸製鋼所のデータ改ざん事件を受けた神戸製鉄所火力発電所

環境影響評価準備書に対する今後の措置に関する緊急申し入れ書(兵庫県)

 

今般の神戸製鋼所のデータ改ざん事件を受けた神戸製鉄所火力発電所

環境影響評価準備書に対する今後の措置に関する緊急申し入れ書(神戸市)