兵庫県、神戸市に厳正なる審査を求める要請書を提出しました

8月1日、神戸の石炭火力発電を考える会を構成する8団体は、神戸製鋼が計画している2021年から稼働予定の2基(65万kW×2基)の石炭火力発電所に係る環境影響評価に係る、兵庫県、神戸市の厳正なる審査を求める要請書を提出しました。

神戸製鋼より公開・縦覧されている環境影響評価準備書(約1,400頁)、開催された説明会(4回)における質疑内容を評価した結果、当該施設計画は、将来の神戸・阪神地域に重大な環境影響をもたらすとの強い懸念があります。

神戸の環境に悪影響をもたらし、また、温暖化の取り組みに逆行する本計画の内容について、市民に十分な説明や情報提供が行われていないことから、厳正なる審査を行うことを強く求めます。

(要請団体)
神戸公害患者と家族の会
西淀川公害患者と家族の会
公益財団法人 公害地域再生センター(あおぞら財団)
特定非営利活動法人 地球環境市民会議(CASA)
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
神鋼石炭火力公害問題灘区連絡会
石炭火力発電問題を考える市民ネットワーク
ひょうごECOクラブ

【環境影響評価準備書を通じて明らかになった当該施設計画に対する主な問題点】

  • 本計画は、かつて深刻な大気汚染にあった住宅地域至近で行われるもので、これまでの県民の環境回復努力を無にするものである
  • 温室効果ガスを長期かつ大量に排出する本計画は、国、県市などの排出削減計画と整合性を欠くものである。
  • 環境影響評価準備書により明らかになった主な個別問題点
    • 大気汚染に対する評価が恣意的であり、最善の汚染防止技術の導入がされていないなど、その対策が不十分であること
    • PM2.5について環境影響評価が行われず、環境保全措置も講じてられていないこと
    • 汚染物質の大気環境への排出総量及び施設計画による変動との関係を明らかにせず、あたかも環境への 影響が低減されるかのような評価結果を記載し、市民を誤信させる点があること
    • 重金属物質の排出、とりわけ、水銀排出に関し、その排出総量を明らかにせず、その予測結果を過小に評価し、十分な環境保全措置を講じようとしていないこと
    • 温暖化防止対策の視点から最良の発電技術の導入することもなく、事業所全体における二酸化炭素総排出量の増減を明らかにしないまま、これまでの配慮書、方法書の知事意見を無視していること。

【要請書本文】

(兵庫県)

神戸製鉄所火力発電所環境影響評価準備書に対する兵庫県知事意見作成にあたって 要請

 

(神戸市)

神戸製鉄所火力発電所環境影響評価準備書に対する神戸市長意見作成にあたって 要請