2018年4月13日
神戸市長 久元 喜造 様
神戸製鋼所 社長 山口 貢 様
神戸の石炭火力発電を考える会
(株)コベルコパワー神戸の神戸発電所1号機に係る環境保全協定値超過について、
神戸製鋼、神戸市が即時に市民に公表しなかったこと、及び
協定に基づく指導・措置の内容を明らかにしていないことについて(抗議)
本日、神戸製鋼所は(株)コベルコパワー神戸 神戸発電所1号機ボイラーにおいて、環境保全協定値超過に伴う発電機の停止について、自社のWEBサイトでその事実を公表しましたが、3月26日に神戸市に報告書(速報版)を提出、本日最終報告書を提出していたことが明らかになった。
しかしながら、神戸市にあっては、これまでこの事実に対して、環境保全協定書第18条第1項において、常時監視の結果について情報の公開をすると規定しているにもかかわらず、今回、ばいじん濃度の協定値超過(測定値:0.011g/㎥N 協定値:0.01g/㎥N 覚書による運転管理目標濃度:0.005g/㎥N)という事象について、市民への公表が遅れたことは極めて遺憾であり、厳重に抗議をする。
また、一連の対応において、神戸製鋼所とどのようなやりとりのなかで、このような状況に立ち至ったのか明らかにしないことは、神戸市の環境保全行政の責務と役割を放棄したものと言わざるを得ない。この間(3月23日から4月13日)は、神戸製鉄所石炭火力発電所増設にかかる準備書(以下「準備書」という)に対する、兵庫県知事意見、環境大臣意見、経済産業大臣勧告の一連の時期と、併せて公害調停第一回調停期日とも重っており、「ばいじん濃度の協定値超過」で発電機を止めたことが明らかになれば、市民の批判が神戸製鋼所に向かうのは必至のため、神戸市は神戸製鋼所に忖度し、この事実及び公表の経過を隠蔽したとの疑念を想起させるまことに不可解きわまる行動である。また神戸製鋼の市民を軽視する姿勢は、これまでの不正隠蔽体質となんら変わらないものである。
神戸市は、準備書に対する意見書(2月28日付け)において、製品データ改ざん問題を受けて信用が失墜したことから、「今後は正確な情報提供及び、誠実な説明によって信頼性の回復に努める必要がある。」とした上で、「特に,大気汚染物質については,本市との間で締結している環境保全協定で現在定めている事業場全体からの年間総排出量の協定値を超過させないことは当然として,将来の排出量を極力低減させるよう,良質な燃料の確保に努めるとともに,排煙処理設備の適切な維持管理を実施する必要がある。」と厳しく指摘してきた。それにもかかわらず、今回の事象に対しては、神戸製鋼所の信頼回復、適切な維持管理の実施に逆行しているだけでなく、神戸市自身が加担している状況である。
こうした、神戸市、神戸製鋼所の姿勢は、両者がこれまで「極めて厳しい」と称してきた環境保全協定が、この程度の運用に終始していることの証拠となるものである。このたびの石炭火力発電所増設計画において、地域における環境保全対策を何ら担保するものがないことを明らかにするものであり、環境悪化を懸念する地元住民の意見、要請を無視したもので全く許容することはできない。
まず、神戸市ならびに神戸製鋼所は、今回の事案について速やかに市民へ公表しなかったことの理由及び協定に基づく指導・措置についてその経過を直ちに明らかにするよう強く要求する。
以上。
神戸の石炭火力発電を考える会
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